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 バゼドウ病

 <バゼドウ病とは?>

 「甲状腺ホルモン」が過剰に分泌される事により様々な症状が現れる、「甲状腺機能亢進」(甲状腺の機能が通常の状態よ
 り高まる)の病気の1つです。 20〜30代の若い女性がかかる事が多く、次に40代、50代の女性と云われています。
 男性は女性に比べ少なく、比率は男性1:女性3〜4となっています。

 <甲状腺について>

 原因や症状の前に、甲状腺や甲状腺ホルモン分泌の仕組み等について述べたいと思います。 甲状腺は、のど仏の下に
 あり、気管に張り付いている「臓器」です。羽を広げた蝶々の様な形をしており、薄くて小さい為、通常は触っても分かりま
 せん。 この甲状腺は、海藻類などに含まれるヨードを基に「甲状腺ホルモン」を分泌します。 この甲状腺ホルモンの役割は
 「体の成長の促進」、「新陳代謝のUP」といった活動するためのエネルギーを作ると云っていいでしょう。

 ■甲状腺ホルモン分泌の仕組み
 甲状腺ホルモンの分泌量は多くても少なくても、体調が悪くなる為、一定量を保たなければなりません。 その調節を行うの
 が、「甲状腺刺激ホルモン(以下TSH)」です。 甲状腺ホルモンは、TSHがその受け皿である甲状腺刺激ホルモン受容体
 (以下TSH受容体)にはまる事で分泌されます。 正しくはありませんが、「凸の形」をしているTSHが「凹の形」をしている
 TSH受容体にはまると 甲状腺ホルモンが分泌されると云う風にイメージしてもらっていいでしょう。
 TSHは、脳が甲状腺ホルモンの分泌量を感知して、TSHの量を調節します。 例えば、甲状腺ホルモンの分泌量が多いと、
 脳はTSHの量を減らして、甲状腺ホルモンの分泌量を減らします。 逆に甲状腺ホルモンの分泌量が少ないと、脳はTSHの
 量を増やして、甲状腺ホルモンの分泌量を増やします。

 <原因>

 この病気は、免疫の異常によって起こる「自己免疫疾患」です。 通常、「抗体」は、病気のもととなるウィルスや細菌といった
 「外敵」に対して作られ、これら外敵を排除しようとします。 このシステムが「免疫」と云われるものです。
 この病気は、本来、敵ではない甲状腺を敵とみなし、TSH受容体に対して抗体を作り、甲状腺を攻撃するのです。 その作ら
 れた抗体を「TSH受容体抗体(以下TRAb)」と云います。
 TRAbもTSH受容体にはまる形になっており、TSHの替わりにTRAbがTSH受容体にはまり、甲状腺ホルモンが分泌されま
 す。 TSHは甲状腺ホルモンの分泌量を調節していましたが、TRAbは休むことなく作られます。 その為、甲状腺ホルモンが
 必要以上に分泌してしまうという訳です。 因みに、「なぜ、免疫機能に異常がおこるのか」は分かっておらず、根本的な原因
 はまだ解明されていません。 ですが、遺伝的にこの病気になりやすい人が、強いストレスを受けた時に発病するのではない
 かと考えられています。

 <症状>

 甲状腺ホルモンが必要以上に分泌される為、新陳代謝が活発になり過ぎて以下の様な症状が現れます。
 因みに、新陳代謝が活発になり過ぎるとは「ずっと走っている(運動している)状態」と云えます。
 ●甲状腺が腫れる
 ●脈拍数が多い、動悸がする、息切れする
 ●手足が震える ・暑がりになる、汗が異常に出る
 ●口がかわく、食欲が増える、体重の減少、または増加(若い人は増え、年配の人は痩せる傾向にあります)
 ●イライラする、落ち着きがなくなる、眠れない
 ●すぐ疲れる、だるい、力が入らない
 ●微熱が続く
 ●トイレの回数が増える、便が柔らかい
 ●かゆい、髪の毛が抜ける
 ●眼が突出する、目つきがきつくなる、上まぶたが腫れる、物が二重に見える
 バセドウ病は人によって症状の現れ方は様々です。ですので、症状によっては、更年期障害・心臓病など他の病気と間違う
 事が多いとされています。

 <診断>

 血液検査にて以下の項目の数値を測ります。
 @甲状腺ホルモン
   過剰に分泌される為、数値は非常に高くなります。
 A甲状腺刺激ホルモン(TSH)
   「@」が過剰に分泌しているので、刺激する必要がありません。数値は非常に低いです。
 B甲状腺受容体抗体(TRAb)
   この病気を発症すると現れる抗体です。

 <治療>

 治療には3つの方法があります。それぞれに、メリット・デメリットがあるので、その人の症状や状況によって治療方法を決め
 ますが、 通常は、薬物治療から始めていきます。
 ■薬物治療
 「抗甲状腺薬」を服用します。この薬は甲状腺ホルモンを合成する機能を抑制し、甲状腺ホルモンの分泌量を減らします。
  このお薬はどの様な人でも服用できるので、妊娠中の人でも大丈夫な治療方法です。 お薬を飲んでから1〜2ヶ月くらいで
 甲状腺ホルモンの量が正常に戻ります。その後はお薬の量を徐々に減らしていき、 必要な最小量を1〜2年続けます。
 TRAbが体の中から消えれば、服用しなくて良くなります。 なお、服用をやめて(治療終了後)しばらく経ってから再発する事
 が多いとされています。 また、このお薬の副作用が出る場合もあり、その場合は直ちに服用を止めて、他の治療に切り替え
 ます。
 ■アイソトープ(放射性ヨード)治療
 「放射性ヨード」を服用します。放射性ヨードが甲状腺に取り込まれると、この放射性ヨードは甲状腺の細胞を減少させます。
 甲状腺の細胞が減れば、甲状腺ホルモンの分泌量は少なくなります。 但し、甲状腺の細胞を減らし過ぎて、服用してから
 数年後に「甲状腺機能低下症」(甲状腺機能亢進症の逆)を引き起こす場合があります。 尚、この放射性ヨードに副作用は
 ほとんどありませんが、妊娠中や授乳中の人、妊娠を希望している人、18歳未満の人、または眼球突出といった目の症状
 が現れている人はこの治療は受けれません。
 薬物療法で効果がなかった人・副作用があった人、または手術で再発した人は、次にこの治療を行う事が多いです。
 ■手術療法
 甲状腺の一部を残して切除します。TRAbが甲状腺を刺激しても、甲状腺そのものが小さいので、甲状腺ホルモンの分泌は
 少ないという訳です。 甲状腺の腫れがひどい場合にこの治療を勧められる事が多いです。 甲状腺を切除するのですから、
 バセドウ病の再発は低いですが、逆に甲状腺機能低下症になりやすいと云われています。

 ※甲状腺機能低下症になった場合 「甲状腺ホルモン薬」を服用して、甲状腺ホルモンを補います。このお薬は副作用は
   ありません。











 
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